プール水温 参考資料

参考として(日本緑地協会資料より抜粋)

正常時の人間の腋下の体温は36.5度前後、また体の深部体温に相当する直腸温度は37度前後である。通常の温水プールは、当然体温よりも低く設定され、通用27~30度の範囲が一般的である。この体温と水温の温度差が、皮膚に与える「寒冷刺激」となり、差が大きければ冷たく、差が小さくなるほど暖かく感じることになる。
しかし、水は、空気よりも、熱の伝導率(熱の伝わり方)が20倍以上も高い性質を持っている。したがって、水中に体を沈めているだけで、からだからどんどん熱が奪われていく。寒冷刺激が強くなればなるほど、その傾向は顕著になる。例えば、水の中に長時間いると、寒さで唇が紫色になったり、からだがガタガタと震えだしたりする。このからだの震えは、一種の体温低下を防ぐための防衛機構が働いているからである。
また、水中で体温を維持できる水温を中位水温といい、安静時で約35度、水泳などの運動時では約28度とされている。

水温の違いによる体温の低下の傾向

いろいろな水温の中で、体温(直腸温)がどのように変化していくかを調査した研究である。水温が低ければ低いほど、直腸温の低下が顕著であることは明らかである。しかしながら、24度以上の水温では、その傾向が穏やかであるのに対し、22度以下になると、著しく直腸温が下がっていくことがわかる。この結果からも24度を下回る水温の場所で水泳を行う場合は、体温が急速に低下する可能性があるので、注意しなければならない。

水泳と水温

実際、プールに来られる人の個人差は大きく、体脂肪率、水泳経験、体調などによって、最適な水温は異なる。概ね、水泳に適している環境温は、水温と気温の和が50度以上とされている。しかし、皮下脂肪の少ない児童、妊婦、中高年、血圧が高めな方などは、水温が30~32度で水泳を行うことが望ましい。それよりも低い場合には、休憩時間を確保し、体温が低下しないよう、工夫する必要がある。

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